恋愛のスイッチ。
彼は結婚して18年。
互いの現状と希望が合致したという感じ。
私もいずれは帰国するので、今の生活に少し色がつけばいいという考えだった。
賛否両論あり、自分がまさか両側共の立場を経験するとは思ってもいなかったが、今では一つ一つ事情が違い、その中で賛否が違うという考えだ。
あれから2週間、週末の1日を一緒に過ごしたり、平日に軽くお酒を飲んだり。
私のこれまでの恋愛も素敵な思い出は沢山あるが、日本人以外と恋愛をするのは初めてだった。
彼の仕草、言葉、風景が全て様になり、まるで自分も映画の主人公のような気分になっていた。
出会って1ヶ月、木々が色づき始め、歴史ある街並みがこれまでとは違って見えた。
恋愛とは、脳が正常ではない状態というが、自分にも周りにも夫にまで(笑)優しくなり、感謝までできた。
ある週末、私たちは初めての小旅行に出かけた。
有名なワインの産地でもあり、ゆったりとした大きな河が流れ、収穫を終えた葡萄畑が一面黄金色に染まっていた。
観光地は避け、ワイナリーに隣接したオーナーが経営するペンションのようなホテルで過ごした。
ワイン畑でボトルとグラスを持って転がり、ありのままの感情を吐き出し、泣いたり笑ったり。
ここが私たちの原点になり、この後何度も訪れるようになるとは。
思い出深い場所、今でも風の感じや石畳の坂を歩く感じは、鮮明に、さっきまでいた様に思い出せる。